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◇ 蛙解剖日記


蛙の解剖は、昔からどうしてもやってみたくて仕方がありませんでした。
ある年までは、小学校の理科の実験に、「蛙の解剖」があったのですが、
いつからか、「残酷だ」とかいう理由で無くなってしまい、
私はやったことがありませんでした。

18歳のとき、今の場所に引っ越して来たのですが、
近所に蛙が沢山居ることが分かって、非常に嬉しかったです。
しかししばらくは、「解剖したい」という興味だけで、安易に生き物を
殺してしまっていいのだろうかということや、
後の死体の始末などを考えると、いまいち解剖に踏み切れませんでした。

しかしある日、
「解剖が終わった後で食べれば、興味だけで殺すことにはならないし、
 しかも、死体の始末にも困らないじゃないか」
と悟り、その日のうちに捕まえてきて、解剖に踏み切ったのです。

そこでここに、「ある日の解剖日記」を載せます。
グロテスクな話が苦手な方は、ここから先は読まないで下さいね。


 先日、私にとって3回目の、蛙の解剖を行いました。
 その日は、友人のKさんと一緒に解剖することになりました。
 Kさんは以前から私のこの趣味の話を聞き、「是非、自分も!」と
 言っていたので、電話で誘ってみたところ、大喜びで飛んで来ました。
 「早く! 早く!」とせかすので、すぐに捕獲に出掛けます。

 まず、うちから徒歩20秒の所にある茂みに行き、蛙を捕獲します。
 この茂みはまるで森林のようで、新宿区とは絶対に思えません。
 都心にもまだ、このような場所があるのです。

 ここに入って10秒で、結構大きな奴を捕獲することができました。
 ヒキガエル(ガマガエル)です。相変わらず、可愛い顔をしています。
 「ガマタン」と命名し、持ち帰りました。

 家に入って、まず風呂場に持ち込み、膀胱に溜まっている尿を出します。
 尿が溜まったままだと、解剖中に撒き散らされて困るからです。
 脚の付け根に電極を付けて電流を流せば、尿が出てきます。
 このときに蛙は全身から、「ガマの油」を大量に分泌します。
 これは傷薬になったり、強心剤になったりするのですが、
 目に入ると角膜炎を起こすので、注意しなくてはなりません。

 さて、いつもなら、このあとすぐに解剖の作業に入るのですが、
 今回はKさんの提案で、蛙とフェレットを会わせてみることにしました。
 イタチの仲間が蛙に対してどういう反応を示すか、興味深いところです。

 早速フェレット(モル・♀)を連れてきて、蛙の目の前に置いてみます。
 するとモルは、最初は匂いを嗅ぐだけだったのですが、
 なにやら興奮して、蛙を前足でバリバリと引っ掻きはじめました。
 普段フェレットが前足を使うのはほとんど見ないので、
 非常に珍しい行為と言えるでしょう。
 この行為については研究してみたいな、と思いました。

 さて、放っておくと、いつまでもバリバリして遊んでいそうでしたが、
 そろそろ解剖に入りたいので、モルには悪いけど蛙を取り上げました。
 見ると、あれだけ引っかかれたというのに、蛙は全く傷ついていません。
 フェレットの爪は、あまり役に立たないということが分かりました。
 これが猫だったら、とっくにズタズタになっていたことでしょう。

 さて、解剖に入ります。
 前回、解剖したときは、中途半端に眠らせたおかげで、
 腹を開いている最中に動き回られて大変だったので、
 今回はきちんと動かない状態にしてから解剖に入る事にしました。
 20万ボルトのスタンガンを10秒程接触させて、息の根を止めました。
 さようなら、ガマタン・・。

 今回は、ここから先の作業をKさんがやりたがったので、
 やらせてあげることにしました。
 私もやりたかったのですが、私はいつでもできるので、
 今回はKさんに譲ってあげましょう。

 Kさんは嬉しそうにナイフを持って、蛙の腹を開いています。
 ちなみにKさんは蛙の内部にとっても詳しくて、
 「これが胆嚢」「これが肝臓」と説明してくれます。
 「輸卵管があるのでこいつはメスだ」と教えてくれました。
 しかし、得体のしれない臓器もいくつかありました。

 Kさんは、「飲み込まれたい」と言って、蛙の口に指を突っ込んで
 喉の奥や食道の感触を楽しんでいました。嬉しそうです。
 しかし・・。

 指を抜いたあと、少しして口の中を見てみると、何か出てきています。
 「なんだろう?」と思って見てみると、なんと、白いイモ虫!
 ガマタンが生前に食したものだったのでしょう。

 何か切れたKさんは、「胃を開いてみよう」と言いはじめました。
 私も思わず賛成してしまい、胃を開いてみました。
 すると・・。

 胃の中には、ビッチリと隙間無く、白いイモ虫が入っていました。
 しかも皆、半分消化されて溶けています。
 今まで私が生きてきて見た事がある物の中で、最も醜悪な物でした。

 それにしても、ああ・・思い出すだけでもおぞましいものです。
 この後、私とKさんは、この影響で2人共ジンマシンを出したのでした。


 以上、ある日の解剖の記録でした。

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